尖閣諸島はれっきとした日本の領土
尖閣諸島は1885年以降、日本政府が再三にわたって現地調査を行い、無人島であることと、中国(当時は清)の支配が及んでいないことを慎重に確認しました。その上で、1895年に閣議決定を行って正式にわが国の領土に編入したのです。ですから、尖閣諸島は沖縄県石垣市に属する日本固有の領土です。ところが、1968年の国連調査によって尖閣諸島周辺に石油資源が埋蔵されていることがわかると、中国は突然、尖閣諸島の領有を主張し始めたのです。
日本の領海が「中国の海」になる!?
中国軍の徐光裕少将は、1987年、南シナ海、東シナ海、そして西太平洋を段階的に「中国の海」にしていく戦略を発表しました。現在、中国海軍は第一列島線(九州~沖縄~台湾~フィリピン~ボルネオ島)から、第二列島線(伊豆諸島~小笠原諸島~グアム・サイパン~パプアニューギニア)へと覇権拡張を進めています。その範囲のなかには、尖閣、沖縄が丸ごと入っているのです。
石油も食料も日本に届かない!?
日本はエネルギーの約9割を海上運輸に頼っています。とくに、主力エネルギーである石油は、タンカーによって中東からアラビア海、インド洋、南シナ海、東シナ海を通って日本に入ってきています。さらに、生きていく上で必要な食糧・生活物資の多くも南シナ海、東シナ海を通っています。もし、南シナ海やインド洋が「中国の海」になれば、海上の輸送路・シーレーンが封鎖され、石油も食料も今のように日本に届かなくなる危険性があるのです。
もしも日本が中国の“自治区”になったら?
現在、中国のチベット自治区になっているチベットは、もともと独立国でしたが、1950年に中国人民解放軍が進駐し、65年に中国の“自治区”となりました。その結果、寺院の97%が破壊され、宗教芸術や装飾はつるはしで叩き壊されました。僧侶は還俗させられ、奴隷のように農作業に従事。僧院は廃墟と化しました。中国では、中国共産党のみが“唯一なる神”であり、宗教は、「アヘンである」として弾圧、粛清されているのが実態です。
2012年7月2日、香港の民間の衛星テレビ局「鳳凰衛視」で、中国人民解放軍の羅援少将が「尖閣占領のための六大戦略」を発表しました。その内容は、①尖閣諸島を中国の行政区に、②周辺を領海に制定し、③ミサイル試験区域とする。さらに、④国家海洋整備隊を設置して、⑤周辺で石油掘削、漁業、旅行、観光等を行い、⑥尖閣諸島の領有を世界にアピールする、というものです。中国は、この通りに尖閣侵略を進める可能性が高いとみられます。
「平和を愛する諸国民」ではない国に憲法9条は適用しない
中国の急速な軍備拡張と覇権主義、北朝鮮の核ミサイルなどから日本を守るためには、交戦権を否認する憲法9条が国防上の大きな障害となっています。本来、早急に憲法を改正すべきですが、憲法改正のハードルは高く、目前の危機に対応するには時間がかかりすぎます。そのため、憲法前文の「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」という文言があてはまらない国に対しては、「憲法9条は適用しない」ことを宣言し、毅然たる行動を取るべきです。
(「Are You Happy?」2012年11月号)
黒川白雲
HSU バイス・プリンシパル 兼 人間幸福学部
1966年生まれ。兵庫県出身。早稲田大学政治経済学部卒業後、東京都庁勤務を経て、宗教法人幸福の科学に入局。人事局長、活動推進局長、指導研修局長、常務理事などを歴任。2014年、東洋大学大学院経済学研究科卒業。著書に『知的幸福整理学』『比較幸福学の基本論点』『人間とは何か』(幸福の科学出版)等がある。