悪口や陰口など、「言葉」に悩まされることの多い職場。これまでに数々のお悩みを解決してきたベテラン講師が、読者のお悩みを一刀両断!
言葉がきつくトゲのある上司
誰に対しても言葉がきつくトゲのある30代女性上司。仕事でミスをすると、「今どきの子はこんなこともわからないの?」とか「知性が弱い」などと言われるので、心が挫けそうになります。(メーカー 正社員 20代)
善き言葉を出し、仕事能力を上げる努力を。
とりあえず自分を護る意味では、きつい言葉にあえて鈍感になることも一つですし、「誰にでもそう言うから」と割り切って、水に流すことも大事です。そういう強さも必要だと思います。
次にその上司をよく見、情報を集めて、なぜ言葉がきついのか考えてみましょう。
例えば、劣等感のある人は、誰かを言葉で斬ることで、自分の優位性を感じようとします。
あるいは大きな悩みがあってイライラしているとか……。そして上司の心を理解した上で、圧倒的な善念と善き言葉で対応していただきたいのです。
昔、私が勤めていた会社に、みんなが怖がっていたお局様がいました。
しかし、ある新入社員が、そのお局様にかわいがられるようになったのです。
彼女は経験豊富なお局様を尊敬する言葉を素直に出し、叱られても「以後気をつけます」「勉強になりました」と感謝していました。
穏やかでやさしい言葉は相手の心を溶かすのです。
部下には見えない仕事の責任や重圧、ストレス――実は上司も辛いのです。
あなたも仕事能力を磨き続け、ミスが減るようがんばりましょう。それも上司への愛ですから。
その場にいない人の悪口を言う
職場の女性たちは、いつもいない人の悪口を言い合っています。表面ではみんなニコニコしていますが、本人の耳にも入っているはず。きっと自分も言われているんだろうと思うと憂鬱になります。(広告関係 契約社員 30代)
勇気を出して言葉の“ギアチェンジ”を。
あなたの職場の様子を伺うと、残念ながら、少なくとも天国的でないのは確かなようで、目には見えない悪霊やちっちゃな悪魔が跳びはねているかも……。
“彼ら”は、あなた方が悪口を言い合っていると喜び、「もっと悪口を!」と囃し立てているかもしれません。
あの世にある阿修羅地獄という世界では、暴力や悪口の言い合いでお互いを傷つけ合っていますが、あなたの職場は、その世界に通じてしまっているかもしれません。
人の悪口を言う人は、「自分は認められていない」という気持ちを持っていることも多いです。
そうであるなら、解決策としては、悪口の逆です。
一人ひとりの素晴らしさを見出して、認めてあげることです。
まずあなたから、言葉の“ギアチェンジ”をしてみてください。
つまり、褒め言葉や祝福、感謝の言葉を積極的に出していくのです。
その人がいてもいなくても、「○○さんのおかげで助かったわ」「□さんはこういうところがチャーミングよね」「○さんの仕事、手際がよくてさすがね」等々、根気よくやっていくうちに、他の人も感化されて、職場の雰囲気は変わっていくと思います。
悪口に同調させようとする同僚
気に入らない人の悪口を、一緒に言わせようとする同僚がいます。できるだけ加担しないようにしていますが、次第に当たりがきつくなってきました。たまに小馬鹿にするような態度も取られます。(カルチャースクール講師 30代)
「悪口は言わない」という自分の信念を貫くこと。
もし、その人に同調しないことが原因でいじめられても、「それならそれで構わない」と開き直ることです。
そもそも悪口を言っていること自体、暇な証拠です。
ほかの同僚か上司か他部署の人かはわかりませんが、あなたのことも、その同僚のことも、誰かが必ず見ています。
また、目には見えない神様や天使たちも、あなたを必ず見守ってくださっています。
ですから、「悪口は言わない」と信念を貫けば、あなたの正しさを理解してくれる人は絶対に現れてくるはずです。
正義は必ず勝ちます。
あなたはそれを信じて、一心不乱にスクールとお客様のために働くことです。
また、その同僚があなたを馬鹿にできないくらい、技術力を磨いていくことも大事です。
そうすれば、やがてあなたの評価は自然と上がり、出世していけると思うのです。
あなたが人格的にも仕事能力の上でも相手を凌駕すれば、その同僚は、あなたに対して何も言えなくなるでしょう。
望むらくは、あなたからよき感化を受けて、その同僚の方も変わってゆきますように。
部下の言葉遣い
部下(20代女性)の言葉遣いに悩んでいます。お客様への電話対応の際に、「うん、うん」と相槌をうったり、「私のお母さんが」と言ったり……。注意したこともありますが、一向に改善されません。(不動産関係 正社員 40代)
ミニ研修やロールプレイで繰り返し練習しましょう。
電話応対だけの話ではなく、そもそも普段の言葉遣いがそのまま出てしまっているわけですね。ちなみに今、朝ドラで「とと姉ちゃん」をやっていますが、主人公の家族全員がとてもきれいで丁寧な言葉を使っています。昔はああいう家も多くて、年配の視聴者からは、それを懐かしむ声もあるそうです。本来、日本語は美しい言魂でできています。ぜひ、職場全体で、言葉への問題意識を共有してみてください。「愛語」といって、美しい言葉を紡ぐことは、お客様に対しても会社の同僚に対しても、愛になります。
一旦できた言葉の習慣を変えるには根気がいりますが、辛抱強く繰り返しやっていきましょう。定期的に電話応対のミニ研修をして、ロールプレイで練習するのもいいと思います。
また普段の業務の中でも、できるだけ美しい言葉を意識していこうと呼びかけてもいいのでは? その部下の方も、自分が丁寧な言葉で接してもらうとうれしいと思いますし、何か感化は受けるでしょう。言葉は人を創ります。美しい「言の葉」は、人を美しくし、幸せにし、元気にもするのです。
Illustration by Yuka Tsukamoto
(「Are You Happy?」2016年7月号)
金澤由美子
1989年に幸福の科学に奉職し、支部・精舎・本部勤務を経て現職。その間、数多くの悩み相談を行う。