tatsunokuchi-yell

子供の交友関係が心配です。【竜の口法子 校長の熱烈エール もう大丈夫!】

〔お悩み〕
娘は高校に入学してから交友関係がどんどん派手になり、素行も悪くなってきました。私はどちらかというときっちりした性格で、間違っていると思うことははっきり言うタイプなのですが、娘に付き合う友人を変えた方がいいと言うと、「毒親じゃん」「親ガチャ(※)外れたわ」ときつい言葉で言い返してくるように。今はそういう時期だからしょうがないと思いつつもショックで、以来あまり強く言えていません。子供の交友関係を変えるにはどうすればいいでしょうか。(神奈川県/42歳)
(※)親ガチャとは、子供は親を選べないということを、スマホゲームの「ガチャ」にたとえたインターネットスラング。しかし、人間は親や生まれる環境など、あの世で人生計画を立て、この世に生まれてくるというのが霊的真実である。

学生時代は師友関係が大きな影響をもたらす

今の娘さんは、子供を思う親の善意の言葉が、すべて説教や押し付けに聞こえてしまう時期なのでしょう。
ただ、学生時代は「誰を先生とするか」「誰を友とするか」という師友関係が大きな影響をもたらすので、厳しく言ってしまう気持ちは分かります。「朱に交われば赤くなる」という言葉もあるように、「悪友」と付き合っていると道が曲がっていき、自分もだんだん悪くなってしまうものです。世間では、友達付き合いから逃れられずに悪事に加担してしまうこともあるようです。

子供にとってその友人はどんな存在か

娘さんとの関係改善のためのアドバイスとしては、交友関係が少し派手になっていたとしても、やっていいことと悪いことの〝限度〞が分かっているうちは「友人を変えた方がいい」と言うのは慎重にしたほうが良いかと思います。娘さんにとって本当に大切な友人だった場合、その子のことを真っ向から否定されたと感じて、ますます頑なになってしまうからです。

一方で、本人も良くないと思っていても、仲間外れにされるのが怖くて交友を続けている場合もあるでしょう。「いじめグループの一員になる」「夜遊びをする」「他人に迷惑をかけて学校から指導が入る」など一線を越えた場合は、保護者として話さざるを得ないという機会が訪れると思います。

このとき、お子さんとしっかりと向き合って伝えてほしいことがあります。それは、「本当の友人だと思うなら、その子の将来のためにも、間違っていることには間違っていると言ってあげる勇気が必要」。「『犀(さい)の角のごとく、ただ独り歩め』という言葉があるように、自分をおとしめてまで友達付き合いをするくらいなら、一人でも構わないという意志も必要」ということです。

反抗期はいつかは終わるもの

「毒親」「親ガチャ外れた」などと面と向かって言われたら、親としては大変なショックを受けることでしょう。しかし、子供は親が傷ついているとは気づかないものです。きつい言葉は、「自分のことを愛してほしい」という本心の裏返しであることも多いのです。また他には言えないことも、お母さんだけは何を言っても許してくれるという甘えもあると思います。

私が校長を務める学校では、高校の卒業式のホームルームで発表の時間があり、保護者に向かって、「あのとき、あんなひどいことを言ってごめんなさい。ここまで育ててくれてありがとう」と生徒が涙ながらに言う姿を何度も見てきました。いつかは反抗期が終わり、親に悪態をついたことや迷惑をかけたことを詫び、感謝に変わるときが来ます。娘さんを信じて見守っていきましょう。もう大丈夫!

(「Are You Happy?」2022年6月号)

印刷する

連載