tatsunokuchi-yell

不登校気味の息子にどう声をかけたらいいでしょうか。〔竜の口法子校長の熱烈エール もう大丈夫!〕

〔お悩み〕
小学生まではほとんど学校を休むことがなかった息子が、中学生になってから度々学校を休むようになりました。今では進級するのにギリギリの出席日数です。悩みがあるのか聞いてみても、詳しく教えてくれません。ただサボっているだけなら厳しく言わないといけないとも思うのですが、追い詰めることになってもいけないと思い、許してしまっている状況です。どのように導いていけばよいでしょうか。(43歳/京都府)

大人が動いて解決すべき問題かどうか見極める

不登校の理由を、本人が言いたがらないとのこと、まずはお母さんが、「大人が動いて早期解決をすべきものかどうか」を調べることが必要です。不登校になる原因は一人ひとり違いますが、後手になると問題が大きくなることもあるからです。

特に「いじめ」や「暴力」など、本人だけでは解決ができないような問題の場合は、大人が動いて、早期に解決しなくてはなりません。担任、部活動の顧問、学年主任、信頼できる同級生のお母さんなど、複数の方から息子さんの学校での様子を聞いてみることをお勧めします。

中学生が不登校になる理由はさまざま

いじめや暴力のようなケースではなかった場合、次にお母さんができることは、息子さんの話をじっくりと聞くことでしょう。お母さんの心構えとしては、「しばらく学校を休んで、休養してもかまわない」と腹を据えて、お子さんの心が開くような話し合いを心がけてください。原因は本人が一番よく知っています。

中学生でよくあるケースをいくつかお伝えします。①反抗期が始まり、学校の先生を含む大人たちに反発心がある。②思春期に突入して容姿や体形が気になり、友人の何気ない一言に深く傷ついたり、コンプレックスに悩んでいる。③小学校と違い部活動が本格的に始まり、複雑な人間関係のなかに置かれて戸惑っている。④授業の難易度が格段に上がり、勉強についていけなくなった。⑤小学校まで勉強やスポーツで優秀だったのに、中学校での評価が低く、自己イメージが下がった。などです。そもそも、学校に行く意味が見い出せない、という子もいます。

話を遮(さえぎ)らず、最後までじっくり聞く姿勢を見せることで、息子さんも本音を言い出すことができるでしょう。

短距離走的に考えず、子供の仏性を信じる

大事なことは、お母さんが一喜一憂しないことです。子供であっても、魂は大人と同じです。一人の立派な人格と見て尊重し、仏性(ぶっしょう)(仏の子としての性質)を信じてあげましょう。また、短距離走的な発想を捨てて、人生の一時期、挫折があったとしても、息子さんは長い人生の中で使命を果たしていくのだと強く信じることです。信じる心、認める心は、しっかり伝わります。また、お母さんが学生時代に挫折を乗り越えた体験談などを話してあげるのもよいでしょう。

中学時代は多感な時期で、他人との比較に悩む年頃です。お母さんなら、生まれたときからずっと見てきた息子さんの長所や強みを、世界中の誰よりも理解し、勇気と自信を与えることができるはず。もう大丈夫‼

(「Are You Happy?」2021年6月号)

印刷する

連載