漢方入門「肩こり」

長い歴史がある漢方薬。
その効能や知識をDr.ジョージがわかりやすく解説します。

 

今回のテーマ 肩こり

肩こり

誰でも一度は耳にしたことがある漢方薬、「葛根湯(かっこんとう)」。風邪に効くと思われがちですが、肩こりにも抜群の効果を発揮します。

肩こりは主に、身体の表面が冷えて血行が悪くなることによって起こります。そこで、葛根湯の温め作用で血管を開かせ、血流をよくして症状を緩和します。そのため、緊張している場合の肩こりにもよく効きます。また、首筋のこりの初期症状や、鼻づまり、神経痛にも効果があります。

葛根湯の特徴は、なんといってもその発熱、発汗作用です。だから風邪薬としても広く用いられているわけですね。そのため、いくら肩こりがひどくても、身体に熱がこもっていて、汗をかきやすい人は使用しないほうがよいでしょう。

葛根湯は市販薬としても手軽に購入できますが、実は体力のある方向きの漢方薬です。というのも、配合されている「麻黄(まおう)」は薬効が非常に強いため、副作用として胃もたれや不整脈が起こる可能性があるからです。寝たきりの方や身体の弱い方、高血圧の方は特にご注意を。
体力のあまりない方の肩こりには、葛根湯から葛根と麻黄を除いた「桂枝湯(けいしとう)」をおすすめします。

肩こり

*そのほかの肩こりに効く漢方薬*

桂枝湯(けいしとう)

体力のあまりない方に。風邪の引き始めにも効果を発揮します。

呉茱萸湯 (ごしゅゆとう)

胃が弱く、冷えが強い方に。肩こりのほか、頭痛やPMSにも効くため、女性におすすめです。

 

Dr.ジョージの漢方小ばなし

漢方薬はオーダーメードだと思っている人も多いようですが、2500年から3000年の歴史のなかで、数百種類の漢方薬が調合されてきました。あらゆる病気や疾患に対応するために、それぞれの漢方薬ごとに生薬が上手に配分されていて、薬材も、使用する量も、完璧に決まっています。漢方薬は、長い歴史のなかでつくり出されたテーラーメード(既製品)なのです。

 
(「Are You Happy?」2010年5月号)

小林城治 

精神科・心療内科医

医療法人社団ヘルメス会「J戸越銀座クリニック」理事長。

高い実績を認められた復職支援(リワーク)の専門機関、薬だけに頼らない療法で社会復帰をサポート。現代書林『赤ひげ名医シリーズ』に掲載他、日本テレビ『ニュースゼロ』TV東京『ワールドビジネスサテライト』等、テレビ出演も多数。

書籍『2014最新版 現代の赤ひげ 医療最前線の名医12人』に選ばれている。

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