web-201812-座談会

お医者さんのホンネ座談会

がん治療に携わる3人の医師に、治療に関する本音や医療の未来についてお話しいただきました。

Aさん
大学病院で緩和ケア医として勤務し、多くのがん患者のケアにあたる。医師歴26年。

Bさん
大学病院で乳腺外科医として勤務し、乳がんの患者を中心に治療にあたる。医師歴18年。

Cさん
大学病院で産婦人科医として勤務。以前は子宮・卵巣系のがんの治療にあたっていた。医師歴12年。

医者が受けるがん治療

―A先生の専門の緩和ケアとはどういうものでしょうか?

A 緩和ケアというと、終末期のがん患者さんのケアだと思っている方も多く、「主治医に緩和ケアに行くように言われて、もう見放されたかと思いました」と言う方もいるんですが、今はがんの治療と一緒に行うものという認識に変わってきています。おふたりの先生はがんの治療がメインですが、私はがんによる身体的、精神的な苦痛を和らげる仕事をしています。

―もしご自身ががんになったら、どんな治療を選びますか?

C 手術をして抗がん剤治療を受けて……というガイドライン通りの治療を受けると思います。
A 私もC先生のようにスタンダードな治療は受けたいですね。
B 私は抗がん剤治療や手術をしてきたので、そういった治療は受けなくてはならないと思っていますが、代替医療も一通り勉強したものとしては、現代医療だけで終わりにしたくないです。

代替医療、セカンドオピニオン、実際どう考えている?

―代替医療はニュースでも話題になりましたが、医師の立場からはどう考えていますか?

C 標準治療にプラスして受けるならいいと思いますが、手術などの治療を受けずに代替医療だけというのはあまり良くないかなと。

A 患者さんの藁にもすがるような思いにつけ込んだ商売をしている代替医療もありますから、そういうものは危険です。

B 代替医療もピンキリですね。悪徳なものだけではなく、心と体の健康を目指すきちんとしたものもあります。ただそれを見極めるのはなかなか難しいです。大切なのは患者側の態度で、「この治療で何かミラクルが起きる」という依存的な態度は代替医療どころか現代医療でもNGだと思います。代替医療はうまく関われば、違う視点を人生にもたらします。その意味で代替医療に希望はあると思います。患者を全人的に捉え、その成長をサポートする立場の代替医療には、現代医療も学ばないといけないかもしれません。

―セカンドオピニオンについてはどう考えていますか?

B 患者さんの権利なので、断わる医師はいないと思いますが、乳がんの初期治療ではガイドラインが整っているので治療法が大きく変わることは少ないですね。

C 医者の言い方の問題もありますから、患者さんが納得できるように、ほかのお医者さんにほかの伝え方で話してもらうのも大切です。セカンドオピニオンを受けたいと言われて気分を害する医者は少ないと思います。

A 治療方針に不安があれば、遠慮せずに伝えてほしいですね。

アユハ2018年12月号表紙 圧縮
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