web-201811-今掛さん

「これからの日本の アニメーションを 支えるのは 宗教的バックボーンです。」映画「宇宙の法―黎明編―」監督・今掛 勇さん

世界的にも評価が高い日本のアニメーション(アニメ)。
その中で一つのジャンルを確立しつつある幸福の科学作品の最新作「宇宙の法―黎明編―」が、10月12日、日米同時公開されました。
監督の今掛勇さんに話を聞きました。

自分の中にも宇宙人が!?

 前作「UFO学園の秘密―宇宙の法Part0」(2015年)は、高校生の主人公たち5人が地球侵略を狙う爬虫類型宇宙人(レプタリアン)の攻撃から人類の危機を救うという物語だった。今作でも彼らの活躍が描かれるが、主な舞台はなんと3億3千万年前の地球。そこでは恐竜が闊歩する中で人類が生活し、同時に、宇宙のさまざまな星から異なる価値観を持つ種族が地球に飛来していた―。
 今掛勇監督は、製作総指揮の大川隆法総裁が語り下ろした原案を読んだとき、自分の中にも宇宙人がいるような、不思議な感覚を覚えたという。
 「自分の中にも強さを重んじるレプタリアンと同じものがあるのかもしれないと感じて、意外に思ったのと同時に、さまざまな種族の多様性を受け入れた地球神の慈悲に感動したことを覚えています。日ごろ、人と接していると、いろんな性格の人がいて、なかには理解しきれない人もいますが、その多様性の根本はここにあるのかなと思うと、腑に落ちるものがありました」
 物語の軸となるのは、レプタリアンの女帝ザムザ。母星であるゼータ星が滅ぼされ、大勢の仲間と地球に飛来したが、地球の価値観になじめず葛藤する。
 「分かりやすいたとえで言うと、文化も風習も違う海外の人が日本に来て、日本人として生きていく。それを星レベルで決断したということです。そう考えるとものすごい勇気とリーダーシップですよね。ザムザの変化にはぜひ注目してほしいです」
 そのザムザの声を演じたのが、先月号の本誌で登場した女優・千眼美子さんだ。
 「日ごろあんなにきれいな声なのに、きちんと肉食系の女帝感のある声を出してくれました。アフレコのとき、空耳ではないと思うんですが、太い声の中に、きれいな声が入っていたんですよ。レプタリアンのザムザが地球人になっていく可能性を声の中に感じて、お願いして本当によかったと思いました」
 主人公たちの声も、前作に引き続き、人気声優が再結集した。
 「みんな集まってくれてうれしかったです。キャラクターが3年分成長した声で、複雑な心境など微妙な感情をしっかり表現してくれました。キャラクターをすごく大事にしていて、どんどん生き生きとさせてくれました」

「真実の創世記」を描く

 本作は、記録として残ってはいない地球人類の起源を描く「真実の創世記」でもある。映像化するにあたって心がけたこととは。
 「原案にあるようなストーリーや真理を曲げないことです。“真実”を僕が説くわけではないですし、判断できるわけでもないので、なるべく自分では判断しないようにしました。もちろん、監督なので判断はします。ただそれは具体的な制作のレベルの話。原案や真理の部分は別なので、自分の先入観はなるべく入れないようにしました」
 先入観にとらわれず、「このシーンは何を描こうとしているのか」を追求する。解釈が違えば、絵の色や光、キャラクターの表情がわずかに違ってきてしまうため、少しずつ修正を重ね、原案のイメージに近づけていったという。
 「一発でそれができればいいんですが、例えばザムザの絵ひとつとっても、描けば描くほどザムザが分かってくるので、完成まで時間がかかります。それに、映像を作ってスタッフ試写をやったりすると、『こういうのがやりたかったんだ! だったらもっとこうしよう』とみんなが改良を加えていく。作ってみて初めて分かることも多いんです。例えば、なぜここは諭すような戦い方なのかといったことが分かる。そうやって少しずつ精度を上げていくので、ある意味、自分の実力以上の作品に仕上がっていると思います」
 3億3千万年前の地球を統治するアルファは、「地球神」。この至高の存在をどう描いたのか。
 「キャラクターの絵に光エフェクトという光の表現を重ね合わせていくのですが、この光エフェクトを担当した人には、仏教の『空』の話を何度かしました。この世のすべてのものは、存在するようでありながら実は実体がなく、その本質はエネルギーであるという教えです。アルファ様はすべての存在の根源にあるエネルギーだから、光でそれを表現したい、と。絵の動きだけではなく光にも注目していただけたらと思います」

アユハ2018年11月号表紙_三玉さん修正
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