web-201810-連載 釈党首田村さん

「障害のある方から教わることは 数多くあります。」幸福実現党党首 釈量子の挑戦魂対談 第3回

本誌で連載を持つ幸福実現党の釈量子党首が、聴覚障害者として世界で初めてエベレストへの登頂を果たした山岳アスリートの田村聡さんと対談。「挑戦魂」がほとばしる対談を全3回でお届けします。

もっと障害者の雇用を進めるべき

 一昨年、相模原市の障害者施設で19人の重度障害者が殺害され、26人に重軽傷を負わせるという悲惨な事件がありましたが、田村さんはどう思われましたか。犯人の動機には障害者に対する差別がありました。

そうですね。事件については、障害者の問題というより、その職員個人の資質の問題が大きかったのではないかと思っています。でも、手話をしていると白い目で見られたり、会社で給与や待遇に理不尽な格差があったりといった、社会的な差別は確かにあります。

 以前、ある政治家が重度の精神障害者について、「この人たちに人格があるのか」という発言をして、物議を醸したことがありました。相模原の事件の犯人はまさに人格も人権も否定して「重度障害者は安楽死させるべき」と考えていました。政治に携わる人は、「障害はあっても魂は健全」と知らなければならないし、障害のある方のお気持ちに寄り添っていかなくてはなりません。

 障害者がどんなことに苦労しているのかといったことは、なかなか見えないと思うんですが、ほんの少しでも障害者の視点からどう見えるかを考えてくださるとありがたいですね。
 例えば私の場合、必要があってどこかに電話をかけたくても、それは難しい。直接行くか、誰かにお願いしないといけません。インターネットのおかげで、ずいぶん便利にはなりましたが……。

 インターネットの充実やIT技術の進歩は、障害のある方々にとっては自由を広げるものですね。
 今、何らかの障害がある人は、国内に約860万人いらっしゃって、だいたい15人に1人です。そうした方々と身近に接すると、ある意味、自分の傲慢さや、恵まれた環境にあることに気づかされます。少なくとも私は、障害のある方から教わることが数多くあります。
 そういう意味で、企業が障害者の雇用を進めていくことは、今進められている「働き方改革」以上の意味があると思うんです。競争社会の中ですさんだ心を癒やす「魂の教師役」が職場にいることを意味するからです。
 比較的賃金の高い企業で働く障害者の方は、まだ50万人ほどです。宗教政党だからこそできることとして、霊的人生観を持つ私たちが先頭に立って、日本に「心のバリアフリー」を進め、雇用を促していきたいと思っています。

「ありがとう」と言われる側に立ちたい

 先日、障害者雇用に積極的に取り組んでいる企業を訪問したのですが、「働くのがうれしい」「納税も喜びだ」という方々に、たくさんお会いしました。自分の力で仕事をして、「ありがとう」と言われる側に立ちたいという気持ちは、生きがいの原点なんですね。

 私も講演で体験を話したり、山を目指す人に技術を伝えたりすることで、「ありがとう」と言われることがあります。それは、障害のあるなしに関わらずうれしいことですよね。

【対談者】山岳アスリート・田村 聡

1965年、東京都立川市生まれ。生まれつき聴覚障害を持つ。山好きの父と叔父の影響で13歳から登山を始める。高校までろう学校に通い、専門学校卒業後、会社員を経て2007年、山岳アスリートに。2016年、聴覚障害者初のエベレスト登頂に成功。

アユハ2018年10月号表紙 (590x800)
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記事DATA

釈量子 

幸福実現党党首

1969年11月10日、東京都小平市生まれ。國學院大學文学部史学科卒業後、大手家庭紙メーカー勤務を経て、1994年に宗教法人幸福の科学に入局。学生局長、青年局長、常務理事などを歴任。幸福実現党女性局長などを経て、2013年7月幸福実現党党首に就任。

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