web-201809-大野さん

メンタルアップマネージャ® 大野萌子さん 「コミュニケーション能力の向上でセクハラは予防できます。」

産業カウンセラーとして複数社の社員からの相談を受けるかたわら、年間100件以上の企業研修を受け持つ大野さん。企業が取り組むセクシャルハラスメント問題についてうかがった。
 

平成元年に流行語大賞になった「セクハラ」という言葉

 そもそも、セクシャルハラスメントという概念が認知されるようになったきっかけとして、平成元年に「セクハラ」という言葉が流行語大賞になったことが挙げられると思います。実はその3年前に男女雇用機会均等法が施行されていて、それまで女性がいなかった場所で、女性が働くようになりました。男性だけの事務所だと、当たり前のようにヌード写真のカレンダーがかかっていて、女性がいないからお手洗いも共用、更衣室はないというスタイルが存在していました。そこに女性が入ってきたことで、急にセクハラ問題がクローズアップされるようになったんですね。

 もちろんセクハラそのものは、それ以前にもあったことだと思います。ただ、「言うぐらいなら辞めろ」という風潮が強かった。それが、セクハラという言葉が認知され、堂々と言えるようになってきたのだと思います。

“グレー”なセクハラ相談

 最近では、あからさまな行動はNGだとみんな認識しているので、セクハラと言っても分からないようなやり方が多いですね。例えば、男女関係の強要はしないけれど、出張のときは常に連れて行くといったやり方です。強要してしまうと訴えられますけど、仕事として同行させる分には、業務だと言えば連れて行けますよね。でも、飛行機も一緒、食事も一緒、さすがに同室ではないけれどホテルも一緒で、全部の行程が一緒というのが何回も続くと……。本人に具体的な業務スキルもなく、勉強だと言われはしても、何のために行っているのか分からないようなケースがあります。本人はやめてほしいと言っているけれど、犯罪ではないし、教育していると言われれば訴えられない。こうしたグレーな内容の相談が増えている気がします。

 また、女性から男性へのセクハラや、男性同士でのセクハラ相談を受けることもあります。……

アユハ2018年9月号表紙 (590x800)
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