web-201808-上床さん

<看護師さんに聞きました>自分が望む最期の瞬間を迎えるために

慢性的な病気でそれ以上治療を受けない、また受けられない患者が入院する医療療養型病棟に勤める看護師・上床牧子さん。日々直面している医療現場の看取りの実態と、幸せな最期を迎えるための心がけなどをうかがいました。

看取りの現場で

 都内の病院に勤める看護師の上床牧子さんは、日々さまざまな患者を看取り、その家族と接している。

 「昨年、末期がんの男性が入院してきました。ご本人は何度も『家に帰りたい』と話していたのですが、24時間点滴を打たれている状態。ご家族の不安が強く、家には戻れない状況が続いていました。ご家族に点滴の管理の方法をお伝えするなど不安を取り除くことで、半年後にようやく家に戻ることができたのです。しかし10日後にはその男性が亡くなったという連絡が。あまりに早い報せに、『もっと早く帰してあげられれば……』と考えずにはいられませんでしたが、それでも、本人が望んだ場所で家族に看取られて旅立てたことは、幸せだったのではないかと感じます」

 上床さんは、慢性的な病気で、それ以上治療を受けない(受けられない)患者が療養のために入院する医療療養型の病棟に勤務している。

 「この病棟では“退院”というと、ほとんどの場合、看取ることになります。告知されてご自身の状態を理解している患者さんもいれば、認知症の方や寝たきりで自分では動けない方もいます。痛み止めで強い麻薬を持続点滴され、起きているのか、眠っているのかも分からないような状態でベッドに寝ている患者さんを見ると、複雑な気持ちになります」

 どのように最期を迎えるか。誰も避けることのできないこの問いが、核家族化、高齢化が進む現代において社会的な課題ともなってきている。

アユハ2018年8月号表紙 (590x800)
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