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シンプルの効用「岡野宏のビューティーレッスン さあ、はじめましょうか!」第16回 (試し読み)

40年にわたりNHK美粧部に在籍し、国内外の女優や政治家などのメークアップに携わってきた岡野宏さんが考える「魅力ある人」とは? さあ、一緒に美しさへの一歩を踏み出しましょう。
 

加えすぎていませんか?

「やぼったい人の絵は、余分な線があれやこれや加えられ、大事な線が消えています。いい絵は少ない線で、すっきりと的確に表現できているのです」

と、手塚治虫さんがおっしゃったことがあります。ファッションやメーキャップも同じことが言え、「センスがない」「おしゃれに自信がない」という人ほど、余分なものを加えすぎている傾向が見られるのです。

無難とシンプルは違う

デザイナーのイヴ・サンローラン氏は紺のスーツに濃紺のネクタイ、森英恵さんは紺や黒のスーツに髪を一束に結わえ、これ以上引くものがないというほど、余分なものを省かれていました。

華やかなモデルたちの中で埋もれることなく、むしろ浮き上がって見えたのは、おふたりともに最高の仕立てでフイット感が抜群、サンローラン氏は裾のもたつきをなくしたモーニングカットであり、森さんは皺の寄りにくい立体裁断のスーツで質感やデザインにこだわりを持っていたからです。

「余分な物を抜いても、こう見せなければだめよ」という見本のような姿でした。…

イラスト: © K’s color atelier

アユハ2018年8月号表紙 (590x800)
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記事DATA

岡野宏 

岡野宏先生

1940年、東京都生まれ。テレビ白黒時代よりNHKアート美粧部に在籍。40年以上にわたり、国内外の俳優だけでなく歴代総理、経営者、文化人まで、延べ10万人のメークやイメージづくりを行う。“「顔」はその人を表す名刺であり、また顔とは頭からつま先までである”という考えのもとに行うイメージづくりには定評がある。NHK大河ドラマ、紅白歌合戦等のチーフディレクターを務め、2000年にNHK退所後は、キャスターや政治家、企業向けにイメージアップの研修や講演活動などを国内外で行っている。著書に『一流の顔』(幻冬舎)、『渡る世間は顔しだい』(幻冬舎)、『トップ1%のプロフェッショナルが実践する「見た目」の流儀』(ダイヤモンド社)、『心をつかむ顔力』(PHP研究所)等。