web-201806-中谷さん

70歳の今こそ、神様からいただいている時間を人のために活かしたい<人生と時間エピソード>(試し読み)

両親の介護と、2歳の孫の“孫育て”。
一度に3人の面倒を見ることになった中谷晴美さんは、還暦を前に、何度か倒れるほどの忙しさを経験します。
試練のなかでも、信仰生活を基にすることで物事がスムーズに運んだという、中谷さんのストーリーをひもときます。

優先順位をつけて必要なことからこなす日々

「別れることになった」

14年前のお正月のこと。息子から、思いもよらない離婚報告を告げられました。

「ええ!? ふたりでちゃんと話し合ったの?」

子供も生まれたばかりなのに……。

しかし息子夫婦の離婚の決意は固く、元お嫁さんは子育てができない状況ということで、2歳の孫の親権は息子が持つことに決まりました。

「……分かった。帰っていらっしゃい」

すでに自分の両親を介護していたわが家に、息子と孫が加わったことで、目が回るような忙しい日々が始まったのです。

朝はまず、3人のおむつ替えからスタートします。

いちばん小さくて我慢がきかない孫のおむつを替えたら、お腹が空いたと騒ぐ前に何か食べさせ、その隙に母と父のおむつ替えを済ませます。

そして慌ただしく支度をして孫を保育園に連れて行き、戻ったらすぐに両親の朝ごはんの準備をします。

胃ろうの手術をしている母には点滴をつなげ、父にはうどんや野菜を細かく刻み、ひと匙ずつ食べさせるのです。

朝食が終わったら、掃除や洗濯などの家事を大急ぎでこなします。

母は寝たきりになってから、元々の躁鬱に加えて痴呆の症状も進み、時折叫んだり、暴れたりします。

母の相手をし、父の身体の向きを変え、顔や身体を拭き、家事をし……そうしているうちに、あっという間に孫を迎えに行く時間になります。

窓の外を見る暇もなければ、自分が食事をしたかさえも覚えていないぐらいの日々の中で、とにかく「必要なこと」を優先順位をつけてやるようになりました。

例えば、3人のおむつ替えや食事を最優先にして、洗濯などのいつでもできる家事は比較的時間が空く夜にやっていました。

家族が揃う夕食も簡単なものを並べさせてもらうなど、手を抜けるところは少し抜き、少しでも余裕をつくろうと工夫しました。

そして私には、どんなに疲れていても省略できないことがありました。

「『主への祈り』――」

それはお祈りの時間です。

クリスチャンだった母の影響で、小さいころから神様への信仰が自然と身体に染みついていた私は、大人になって入信した幸福の科学のお祈りだけは欠かさないと決めていたのです。……

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