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【Interview】映画「ザ・サークル」監督/脚本 ジェームズ・ポンソルト 「人の最高の姿と最悪の姿を引き出すのがSNS。 現代社会をダークな形で風刺した作品です。」

「ザ・サークル」

11月10日(金)よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国ロードショー

監督:ジェームズ・ポンソルト 出演:エマ・ワトソン、トム・ハンクス、ジョン・ボイエガ、カレン・ギラン、エラー・コルトレーンほか 配給:ギャガ 2017年/アメリカ/110分

世界No.1のシェアを誇る超巨大SNS企業「サークル」。新入社員のメイ(エマ・ワトソン)は、ある出来事をきっかけにカリスマ経営者のベイリー(トム・ハンクス)の目に留まり、新サービス「シーチェンジ」のモデルケースに大抜擢される。「サークル」が開発した超小型カメラによって、自らの24時間を公開することとなったメイは、瞬く間に1000万人を超えるフォロワーを得てアイドル的な存在になるのだが……。

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現代のSNS社会を風刺したエンターテインメント作

遠くない未来に待ち受けるSNS社会の光と闇をスリリングに描いた大ベストセラー小説「ザ・サークル」が、エマ・ワトソン、トム・ハンクスの二大ハリウッドスターを迎えて映画化された。手がけたのは、原作者であるデイヴ・エガーズの大ファンだったというジェームズ・ポンソルト監督。

「僕がいちばん共感したのが、エマ・ワトソン演じる主人公のメイでした。メイはちょっと理想主義的なミレニアル世代の若者で、“世界をよりよくしたい”と思っているんです。デジタルオンラインの世界で、自分のことを知ってほしいという気持ち、あるいは認知されているのかどうかという不安を抱く部分にも感情移入できました。でも次第に、彼女が行う選択にフラストレーションを感じ、最終的に、強大な力を得ていく彼女を見て、怖いなと思いました。これは、小説全体に感じた気持ちでもあります。この作品は、私たちの住んでいるこの世界を非常にダークな形で風刺していると思います」

誰よりも主人公の気持ちを理解したエマ・ワトソン

メイを演じたのは、「ハリー・ポッター」シリーズのハーマイオニーから、最近では「美女と野獣」のベルまで、さまざまな役にチャレンジし、女優として進化し続けるエマ・ワトソン。「プライバシーを明け渡してしまうメイの心情を、誰よりも理解しているのが彼女ではないか」と監督は語る。

「エマは、ハーマイオニーを演じた10歳のころから常に公の場で生活せざるを得なかったわけですが、そういった状況から一歩も引かず、ジェンダーに関することや女性の教育に関することなど、自分自身の声をSNSで発信したり、国連でスピーチを行ったりしています。ですから、“誰でもない普通の人”から一瞬のうちに“大企業の顔”になってしまうメイの心情や葛藤を、すごく理解することができたのではないでしょうか。

メイが感じている“人を幸せにしなくてはいけない”という思いの奥にあるのは、孤独であり、人に愛されたいという欲求なのかもしれません。そこまで踏み込んだ形で、メイのキャラクターを理解してくれたエマの役者としての力量には感服しました。一緒に仕事ができて本当に楽しかったですね」

本誌では他にも以下のインタビュー内容が掲載されています。
・全体主義国家への警鐘
・監督の考えるSNS社会とは

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記事DATA

ジェームズ・ポンソルト James Ponsoldt

1978年、アメリカ・ジョージア州生まれ。イェール大学で学士号、コロンビア大学でフィルム・プログラムのMFA(美術学修士号)を取得する。「Off the Black」(06)で長編映画デビュー。続く「スマッシュド~ケイトのアルコールライフ~」(12・未)と「The Spectacular Now」(13・未)で、2年連続でサンダンス映画祭の審査員特別賞に。「人生はローリング ストーン」(15・未)では、インディペンデント・スピリット賞の2部門にノミネート。その他の監督作に、TVシリーズ「シェイムレス 俺たちに恥はない」(14)、「マスター・オブ・ゼロ」(15)など。