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お父さん、出番です!「ゲームより絶対おもしろい! 家族で段ボール工作」<子育て110番>

「私の子育て、これでいい?」――子育て中のママたちは、毎日が試行錯誤の連続です。そんなママたちに、大切な子育てのヒントをお届けします。

子供はエネルギーのかたまり!

いよいよ夏休みがやってきました! 子供たちは、毎日どのように過ごしていますか?

うちの前の公園では、猛暑だというのに毎日子供たちが走り回っています。近所の図書館には区民プールが併設されていて、プールバッグを肩から下げたまま本を読んでいる子の姿もたくさん見かけます。そう、子供たちはエネルギーのかたまりです。毎日毎日湧いてくるこのエネルギーを放出して、夏の太陽のようにギラギラと輝くことで大きな喜びを感じるんです。

でも、エネルギーの楽しい使い方を知らないために、ひまつぶしにゲームばかりしている子供も多いかもしれません。本当は、「うちの子はゲームばかりしている」のではなく、「ゲームの他に何があるのか」「エネルギーや時間をどう使えば楽しいのか」を知らないだけかもしれませんね。

パパやママが子供の将来を考えて、「何事かを成し遂げる人間に成長してほしい」「創造的な人間に育ってほしい」と願われるなら、「エネルギーと時間をどう集中させ、どう使うことが大きな喜びにつながるか」を実体験させてあげてほしいのです。夏休みはその絶好のチャンスです。

 

インドアでも冒険はできる!

アウトドア派のパパやママなら、家族で力を合わせてサマーキャンプをしたり、ボルダリングやアスレチックに挑戦するのも楽しいですね。

また、インドアならではの未知の世界への冒険もあります。将棋ブームにのっかって、親子で将棋やチェスや囲碁にはまってみたり、冒険物の十巻シリーズ小説などを親子でいっしょに読んで感想を語り合ったり。

さらにイチオシは、段ボール工作です。できれば、数日から一週間かけて、家族全員で完成させるような大作がおすすめです。

まずはインターネットで「段ボール工作」と検索してください。自動販売機や乗って遊べる消防車などの作り方の動画が豊富にアップされています。特におすすめは、段ボールのお家と秘密基地です。動画のように精密に作らなくても、ざっくりでも相当おもしろいですよ。段ボールは、近所のスーパーなどで貰ったりもできますし、インターネットでまとめ買いもできます。

わが家では子供たちが小学生のときに、十数枚の段ボールで「赤城山」を作りました。なぜ赤城山かというと、『頭文字D』という漫画に出てきた「走り屋の聖地」だからです。

まず図書館に行き、等高線が描かれている日本地図を拡大コピーし、拡大コピーをさらに拡大コピーして1メートル四方の大きさにします。そのコピーをもとに、地図の等高線を標高100メートルごとに段ボールに写し、写した等高線の形どおりにカッターで切り、1枚ずつ貼り合わせていきます。途中「何でこんな大変なこと始めちゃったんだろう」とも思いましたが、ただの段ボールから赤城山が次第に姿を現すと、みんな興奮してきました。「地形のえぐれてるところは何かなぁ」「川じゃない?」「じゃあ水色に塗ろう!」そんなこんなで、家族全員で力を合わせて、1日3時間×10日かかりました。

段ボールの赤城山は、成人した今でも子供たちの宝物です。

Illustration by Hiroki kadomatsu
 

(「Are You Happy?」2017年9月号)

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奥田敬子 

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。

 

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