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心を伝えるために、スキルよりも大切なこと(2012年5月号)

“伝説のプレゼンテーション”とも言われるスティーブ・ジョブズのプレゼン。その話し方は、主婦の日常の会話や発表の場にも応用できるはず。そこで、『図解 スティーブ・ジョブズのプレゼン術』の著者、松本幸夫さんにポイントをお聞きした。

リラックスできるのは練習しているから

ジョブズのプレゼンを見ていると、とてもリラックスして話をしているように見えます。実は、これはすごく練習をしているからできることなのです。

何も見ないで話せるくらいに練習しているからこそ、相手の反応を見たり、話や実物を見せる順序を考えたりといった、細かいところまで気配りができる。練習不足だったりぶっつけ本番でも、うまくいくときはあるのですが、常にというわけにはいきませんので、しっかり練習することが、プレゼン上達への着実な一歩なのです。

予備の話で心に余裕を持つ

それから、おそらくジョブズは「予備の話」もずいぶん用意していたはずです。そこでは話さなくてもいいけれども、万一のときのネタを持っておくのです。

たとえば、普通は20分話すとなると、20分の話しか準備しないものです。ところが現実には、ちょっと早口になってしまったり、緊張したり、言うはずのことを忘れたりで、5分くらい前に話が終わってしまって焦ることがけっこうあります。そういうときに予備の話を用意してあると、心に余裕を持って、安心して話すことができます。

また、話しながら一歩横に出るなど、体を動かすことでも少し緊張がほぐれます。あまりにも歩き回るのはやりすぎですが、そうして体をリラックスさせるのもひとつの方法です。
話し手がリラックスできれば、聞き手もリラックスしてくれるので、会場にいい雰囲気ができてきますよ。

プレゼンの際の基本的な心構えとは?

最後にもうひとつ、プレゼンの際の基本的な心構えをお話ししましょう。それは、「常に聞く側の立場に立つ」ということです。自分が相手の立場だとして、話を聞いたときに納得したり共感したりできるかどうか。これをいつも考えておかなくてはなりません。

一般的には、自慢話などは嫌われてしまうことのほうが多いので、自分に自信があるのであれば、むしろ失敗談やうまくいかなかった話をしたほうが効果があります。もちろん、そのときの話の目的に合っていることが条件ですので、そういう意味でも、Jobs’s Pointでご紹介したとおり、「何のために」という目的をはっきりさせておくことが大事ですね。

ジョブズ並みのプレゼン術を身につけるには

相手の心に響くかどうかは、「何のために」プレゼンをするかという、スキル以前の問題が大きく関係しています。自分はそのプレゼンを通してどうしたいかという理想や目標を最初に持ってから、ひとつひとつ着実にスキルを身につけていきましょう。

ジョブズ並みのプレゼン術を身につけられる可能性は、私たちにも十分にあります。なぜなら、彼もはじめは初心者だったからです。しっかりと基本を学び、実践の場面で使ってみることを続けていけば、あなたも、「あなた流のプレゼン」ができるようになってくるはずですよ。

<まとめ>

1.「何のために」プレゼンするかという
  目標を持つ
2.「自分が主役のショー」だと思う
3. 何も見ないで話せるくらいに練習する
4. リラックスできる工夫をする
5. 常に聞く側の立場に立つ

図解 スティーブ・ジョブズのプレゼン術

図解 スティーブ・ジョブズのプレゼン術

松本幸夫 著/総合法令出版/¥1,365

 

うちとける話し方50の習慣

うちとける話し方50の習慣

誰とでもうちとけられる話し方のコツが満載の一冊。「気くばり」をキーワードに、すぐに実践できる具体的なポイントが、著者の体験も交えながら語られていて読みやすい。

松本幸夫 著/青春出版社/¥650

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記事DATA

松本幸夫 Yukio Matsumoto

ヒューマンラーニング代表 / 人材育成コンサルタント

1958年東京生まれ。著作は170冊を超え、年間約200回行う研修・講演のリピート率は92%という実績を誇る仕事術の達人。主な著書に『百田尚樹に学ぶヒットを生む仕事術』(総合法令出版)『人生がうまくいく「呼吸法」』(PHP研究所)『自己能力を10倍高めるトランスフォーム仕事術』(幸福の科学出版)『超強運』(あ・うん)『図解 スティーブ・ジョブズのプレゼン術』(総合法令出版)など。著作は、韓国、台湾でも翻訳され、ベストセラーとなっている。