子育て201706

家族で映画を観に行こう!【子育て110番】 vol.72

「私の子育て、これでいい?」――子育て中のママたちは、毎日が試行錯誤の連続です。そんなママたちに、大切な子育てのヒントをお届けします。

映画って、いいね!

私が生まれ育った田舎町には映画館がなく、話題の映画は、半年から1年遅れて町の公民館で1日だけ上映されたりしていました。
ある年、宇宙戦艦の戦いを描いた有名なアニメ映画が上映されるというので、子供たちが大勢公民館に集まり、体育座りで待っていると、アナウンスとともに館内が真っ暗になりました。それだけでも子供は大興奮です。身動きできない空間の中で、目の前に迫ってくる大画面、大音量の迫力に、みんなわくわくドキドキしながら画面を見つめました。
やがて2時間が経ち、館内が明るくなると、拍手が沸き起こり、たくさんの子供たちの顔が涙でぐしょぐしょにぬれていました。地球を守るために自分の命を捧げた宇宙戦艦の乗組員の姿に、どの子も感動したのです。そして私は「自分も人類のために命を捧げるような人になりたい!」と強く願うようになりました。優れた映画には、人生観に大きな衝撃を与えるほどの力があるのですね。

映画は贅沢なエンターテインメント

独身時代には映画館に足を運んでいても、家庭を持ち、子育てに追われるようになると、映画館に行かなくなるママが多いと思います。私もそうでしたが、近年またママ友や子供たちと一緒に映画に行くようになり、「映画館で観る映画の魅力」を再発見しました。
映画館は、不思議な空間です。友達や家族と一緒に行っても、各自がイスに座り照明が落とされると、もはやそこは非日常世界。他の一切のものから切り離され、映画と自分ひとりが一対一で向き合う特別な空間が出現します。そして、大画面、大音量の迫力! 特に音響システムは、昔と比べて格段に進歩しました。これは、家でのDVD鑑賞では味わえない醍醐味です。
欧米では、素晴らしい作品には「ブラボー!」の声とともにスタンディングオベーションが送られます。日本人は、どんなに素晴らしい作品に出会っても、感動の涙を流しながら黙ってエンドロールを見つめるのが精一杯ですが、ここ数年、思わず拍手喝采を送りたくなるような素晴らしい映画が増えたように思います。監督やスタッフ、キャストが、長い時間をかけ、心血を注いで生み出した作品には、時に人生を変えるほどの強い光が宿っています。そういう作品に、親子一緒に出会えたときは、喜びが何倍にも膨らみます。
ここで、家族で映画を楽しむための工夫をいくつかご紹介します。
まず、インターネットで座席予約できる映画館が増えているので、これを利用すると、家族並んでいい席で観ることができます。時間には充分余裕を持って出掛け、行き掛けに、子供が好きなクレープ屋さんやアイスクリームショップで甘いものを食べて小腹を満たしましょう。すると、子供たちが自然と落ち着いたり、わくわく感が増したりします。 映画の後は、急に日常に戻らず、ぜひ家族で外食を。いつもと違う食事を楽しみながら、いま観た映画の話に花を咲かせましょう。子供たちが感じたことや考えたことに耳を傾けると、大人にもさらに新しい発見があります。映画と食事と団欒と。それは、素晴らしい作品との出会いとともに、子供たちにとっても、忘れられない家族の思い出になることでしょう。

6月号表紙
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記事DATA

奥田敬子 Keiko Okuda

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。