希望の洋服店

ドレスアップもカジュアルダウンも 決まる「ベスト」の効用 “希望の洋服店 M SELECT” Vol.8

「パートナーをもっと美しくオシャレにしたい」――そんな女性たちの願いを叶えるファッションコラム。メンズファッション業界の裏側を知り尽くした油井誠氏が、女性読者とそのパートナーのファッションセンスUPをお手伝いします。

5月の連休シーズン、日本でもクルーズ(船旅)を楽しむ人が増えています。動きやすいカジュアルスタイルと、ちょっと改まったドレスアップスタイルの両方に使える「ベスト」は、そんなクルーズシーンにもおすすめのアイテムです。
ベストは、アメリカではvest(ヴェスト)ですが、イギリスではwaistcoat(ウェストコート)、フランスではgilet(ジレ)と呼ばれます。イギリスでvestといえばランニングタイプの下着を指し、アメリカではtank-top(タンクトップ)のこと。日本では最近、ベストもジレと言ったほうがおしゃれに聞こえるようです。
16世紀ヨーロッパで「ダブレット」と呼ばれた男性用上着が、ベストの起源ともいわれます。当時は袖付きで、袖にレースを縫いつけた装飾的なものもあったそうです。18世紀、ルイ15世の時代に袖がなくなり、上着とシャツの間に着る中衣となりました。中衣は、人間でいえば中間管理職といったところ。表立って活躍するジャケット(リーダー)ではなく、下支えの目立たないシャツ(平社員)でもない中継的位置づけで、時には省かれてしまうことも……

6月号表紙
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油井誠 Makoto Yui

長野県生まれ。関西外国語大学外国語学部英米語学科在学中にアメリカへ留学。卒業後、セツモードセミナーで絵と服飾デザインを学び、編集記者、ファッションモデルエージェントを経てファッション業界へ。メルローズのプレスを皮切りに、Men’s Melrose、TAKEO KIKUCHI、パーリーゲイツのメンズデザイナー、伊勢丹研究所のメンズコーディネーター、ラコステのメンズMDチーフ、リーバイ・ストラウスジャパンのバイヤー、MDプランナーなどを務める。現在はフリーランスとして活動中。