web-201705 ロジャー・ロス・ウィリアムズ

Culture Interview 映画「ぼくと魔法の言葉たち」監督 ロジャー・ロス・ウィリアムズさん

オーウェンとその家族の奇跡の日々

2歳で突如言葉を失い、自閉症と診断されたオーウェン。家族の愛とサポートのもと、ディズニー・アニメーションを通じて言葉を取り戻す姿を追ったドキュメンタリー映画「ぼくと魔法の言葉たち」は、映画祭で絶賛され、アカデミー賞長編ドキュメンタリー映画賞にもノミネートされた話題作だ。
ロジャー・ロス・ウィリアムズ監督は、ウォールストリート・ジャーナル紙の編集委員であるオーウェンの父・ロンの古くからの友人だったとか。
「ロンとは多くの番組で一緒に仕事をしました。彼が出版したオーウェンについての書籍『ディズニー・セラピー』を読み、これは素晴らしい映画になると確信して、すぐにドキュメンタリー化の権利を取得したのです」
ディズニー・アニメーションを介して言葉を取り戻し、成長したオーウェンの奇跡に感動したディズニー社が異例の使用許諾を行い、本作には「リトル・マーメイド」など名作のシーンが多く登場する。擦り切れるほどビデオを観続けたオーウェンが共感するのは、主人公ではなく脇役たち。作中で紹介されるオーウェンによる物語「迷子の脇役たちの国」は、ディズニー・アニメーションの脇役と男の子が活躍するストーリーだ。
「オーウェンは、いつも自分を脇役になぞらえていました。でも、本作で彼は結果的に主役になったのです。言葉を失い、アイコンタクトすらできなかったオーウェンが、今は自立してひとり暮らしを始め、フランスで自閉症についてのスピーチを行い、先日はアカデミー賞のレッドカーペットを歩き、世界から祝福されました。監督した僕自身も、こうやって日本でインタビューを受けているんですから(笑)。この映画は、自分を脇役になぞらえていた彼が、ヒーローに共感するまでを描いた作品といえます。これだけ長い道のりを歩いてきたオーウェンは、やはりヒーローですよね」

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「ぼくと魔法の言葉たち」
4月8日(土)よりシネスイッチ銀座ほか全国ロードショー

監督:ロジャー・ロス・ウィリアムズ 出演:オーウェン・サスカインド、ロン・サスカインド、コーネリア・サスカインド、ウォルト・サスカインド ほか 配給:トランスフォーマー 2016年/アメリカ/91分

2歳で言葉を失い、自閉症と診断されながらも大好きなディズニー・アニメーションによって言葉とコミュニケーションを取り戻した、オーウェンと家族の奇跡の日々をディズニー社の名作の映像とともに伝える。数々の映画祭で入賞し、大喝采と称賛を浴びた感動と奇跡のドキュメンタリー。

五月号表紙
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ロジャー・ロス・ウィリアムズ  Roger Ross Williams

TVプロデューサー・演出家として活躍後、2010年公開の初監督・製作映画「Music by Prudence(原題)」で同年アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞。アフリカ系アメリカ人監督初のアカデミー賞受賞者となる。監督作品にキリスト教福音派伝道師のウガンダ布教に迫る「GOD LOVES UGANDA(原題)」(2013)、「ブラック・ピート」と呼ばれるオランダの伝統を追った「Blackface(原題)」(2015)がある。