大川隆法著作シリーズより「人生を豊かにする読書論」

読書の習慣は親から子への最大のプレゼント

親が子供に教えてあげられることのなかで、最も大事なのは読書の習慣だと思います。読書は智慧のもとだからです。「読書の習慣」は親から子への最大のプレゼントなのです。(『繁栄の法』より)

 

「テレビ1時間」の知的効果は「読書10分」と同じ

現代はテレビ全盛の時代です。テレビを観るほうが、本や新聞を読むよりも楽なので、現代人はテレビを観ることが多くなっています。
しかし、知的効果について、テレビと読書を比較すると、テレビの1時間は読書の10分程度にしかすぎないと思います。かなりよくできたテレビ番組であれば、情報量は多いこともありますが、たいていの番組は内容が希薄であり、「平均的に見て、1時間のテレビ番組は、読書に換算すると、10分程度の知的効果しかない」と感じます。
もっとも、読書では得られない知識がテレビから得られることもあります。たとえば、海外ものの番組などの場合がそうです。自分にとって専門外の分野や、自分が経験したことのない世界に関しては、テレビで観ると、よく分かることがあるのです。
ただ、一般的には、「テレビの1時間は読書の10分程度にしかならない」と心得ておいたほうがよいでしょう。(『幸福の法』より)

 

読書で人生体験を広げる

一人の人間が一生のあいだに経験できる範囲は、それほど大きくありません。ある人は船乗りの人生を生きる。ある人は天文学者の人生を生きる。ある人は農業をする。ある人は工場で働く。このように、各人がさまざまな人生を生きていますが、そのすべてを一人で経験することはできません。
また、さまざまな人生を経験するために何度も生まれ変わってくることは、大変な時間を必要とします。
しかし、幸いなことに、いろいろな人が自分の知識や体験を書物にまとめてくれています。そして、他の人が智慧を絞って書いた本であっても、わずか数時間から数日で読むことができます。つまり、それを書いた人が一生のあいだに経験したことや考えたことを、非常に短期間で学べるのです。
これは、一人で二人分の人生を生きたのと同じことになります。しかも、そういう本は世の中にたくさん出ているので、良書を選んで数多く読めば、いながらにして、いろいろな人生を体験することができるのです。(『繁栄の法』より)

 

読書の老化防止効果

実は、「週に一冊程度の本を読む習慣のある人は、年を取ってから、ぼけない」と言われているのです。これは大事なことだと考えてください。ぼけないためには、週に一冊ぐらい本を読んだほうがよいのです。(『復活の法』より)

 

読書の習慣は意志を鍛える

明治維新のころに活躍した志士たちのなかには、現在ではもはや見る影もない蘭学に取り組み、オランダ語を一生懸命に勉強した人が数多くいました。
彼らが勉強していた蘭学は医学や砲術などの西洋型学問でしたが、そうした知識そのものが明治維新の成功に役立ったかといえば、必ずしもそうではなく、むしろ、「衣食や睡眠を節してでも、みずからの精神を高め、大きな未来を開くために努力する」という、彼らの精神そのものが仕事をしたのだと思います。
学問の効用、読書の効用は、こうしたところにもあるのです。読書には「知識を得る」という面もありますが、それ以上に大事なのは、「意志の鍛練ができる」ということです。
現代人はよく、映画やテレビを観たり、音楽を聴いたりします。もちろん、そうしたことも有意義な時間になる可能性はあります。しかし、そこには意志の働く余地があまりないだろうと思います。ところが、活字となった書物を読むことには、いつの時代においても必ず努力がともないます。その努力こそが意志の力を強くするのです。(『伝道論』より)

 

「一割増し」の自分を目指す

常に「一割増し」ぐらいをねらっていれば、間違いはありません。現在の自分より一割ぐらいグレードアップした自分を常に目指していく。そして、一割増しの自分を達成できたならば、さらに一割増しの自分をねらう。このように考えていれば、それほど大きな間違いはないのです。
突然、十倍や百倍の自分を考えると、少し苦しいものがあります。最終的には、そうした自己イメージもけっこうだとは思うのですが、まずは現実の自分より一割増しの自分を考えることです。
読書でもそうです。本が嫌いで活字をあまり読めなかった人が、急に「あしたから千冊読もう」と思っても、そう簡単にはいきません。それよりも、まずは先月比で一割増しぐらいを目標にして、読み進めてみることです。このぐらいで考えておけば、それほど無茶なことではないと思います。(『コーヒー・ブレイク』より)

参考書籍:『繁栄の法』、『幸福の法』、『復活の法』、『コーヒー・ブレイク』(いずれも、大川隆法 著/幸福の科学出版)、『伝道論』(大川隆法 著/宗教法人幸福の科学)

(「Are You Happy?」2011年10月号)

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