癒しのケーススタディ

あなたのヒーリングパワーを引き出す 癒しのケーススタディー②

ヒーリングパワーをもっと知れば、自分も人も癒すことができるはず。数々の癒しの場面に接してきた心理カウンセラーの水村さんに、癒しの体験談を聞きました。

Case4 家庭問題編

本音を吐き出して母親を許すことができた

看護師の良子さん(40代)は、「本当に自分に合う仕事を探したい」とカウンセリングを受けにきました。しかし、数回話を聞くうちに出てきた本音は、まったく別のところにありました。彼女の母親は軽いアルコール中毒で感情の起伏が激しく、良子さんは言葉も含む暴力を受けて育ったといいます。長女だった良子さんは、自分がしっかりしなければと努力して看護師になったそうです。しかし恋愛はうまくいかず、女性をもてあそぶような男に尽くしてしまったり、誠実な男性と出会っても、なぜか怖くなって自分から別れたりを繰り返していたのです。
本音を吐き出すことができた彼女は、「自分も幸せになっていいのかも」と思えるようになりました。母親のことも許し、その思いを手放し、忘れるようにしました。数カ月後、良子さんはずいぶん気持ちが変わったといいます。目標もでき、男性との出会いも増えてきたそうですよ。
[解説]心の中が怒りや悲しみで満たされていると、それがあらゆるときに現れてしまいます。本音を吐き出したことで、心の中に“空間”ができ、そこに前向きな感情が生まれたのです。

Case5 スピリチュアル編

神仏の光で心も体も癒される

洋子さん(50代)は、小学生の息子を交通事故で亡くし、自分を責め、次第に体の調子も崩してリウマチを患うようになっていました。悲しみが大きく、「何で死んでしまったの? 生き返って……」と毎日祈っているといいます。
彼女との信頼関係ができてきたころ、「あなたがあまり苦しんでいると、お子さんの魂は天国に帰りにくくなりますよ」と話してみました。すぐには納得しなかった洋子さんでしたが、数カ月かけて次第に変わっていきました。そして、「短い間だったけど、生まれてきてくれてありがとう……」と心から祈ったとき、涙があふれてきたといいます。すると、仏壇の奥から波のような光と、息子さんが乗った大きな鶴が現れ、「お母さん、ありがとう! 天国に行ってきま~す!」と飛び立つビジョンが見えたそうです。長いような短いような不思議な感覚……。ふと気がつくと、心の底からホッとして、体の痛みもなくなっていたそうです。
[解説]「生き返ってほしいと毎日祈っている」と聞いたとき、「その祈りでは救われない」と思いましたが、まず受けとめることにしました。相手が受け入れられるようになるまで待つことも大事です。

Case5 スピリチュアル編

裁きを許しにかえて自分が癒される

幸子さん(40代)はスクールで学んだアロマテラピストの資格を生かそうと、アロマサロンを開業しました。最初は友人が来てくれたものの、すぐに閑古鳥が鳴き、お店の家賃でお金は出ていくばかり……。幸子さんは「何で来てくれないのよ!」と友人や客を裁いていました。
何度か話を聞くうち、幸子さんは宗教的な人で、聖書も学んだことがあるということがわかってきました。そして、小さいときから、ふとした瞬間に「許されたい」という気持ちが湧いてくるといいます。そこで、許しのアファーメーション(宣誓)をすることにしました。毎晩寝る前に、幸子さんのほうから、「あなたを許します」と身近な人を許すのです。するとある晩、心の中に「お前を許そう」という荘厳な声が響きました。翌日、気持ちよく目覚めてお店に行くと、久々にお客様からの予約の電話が。その後、少しずつ経営も軌道に乗ってきています。
[解説]自分から相手を許すことで、自分が許され、癒された例です。偶然に予約の電話がきたようにも見えますが、幸子さん自身が癒されたことによる「癒しオーラ」は、目には見えなくても、確実に仕事をしているはずです。

Message
これらはすべて実際にあったケースです。人が人を癒す場合と、神仏による癒しの二種類があることがわかるのではないかと思います。また、人が人を癒す場合でも、本人の気づきで心の状態が変わったときに、神仏の“光”が臨み、癒されるということが起きています。最近ではその“光”のヒーリングパワーを実感している方、それを求める方も多くなってきました。
さてここで、海に浮かぶ氷山を想像してみてください。小さな氷は波に揺れますが、氷山は海面下に大きな体積があるのでほとんど揺れません。心を氷山にたとえると、その海面下の体積が、前向きな心や、自己肯定感、認識力、そして神仏を信じる心なのです。安定した大きな氷山が、揺れている小さな氷に寄り添っていると、揺れが収まってきますよね。それは、子供が泣きながら母親に抱きつく姿をイメージするとわかりやすいかもしれません。抱かれているうちに、子供は安心して、そのまま寝てしまうことがありますよね。なぜ泣いているのか理解されなくても、受け入れてもらえるから、安心するんですね。理解や、受け入れる温かさ。これが、癒しの原点なのではないかと思います。

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水村和司 Kazushi Mizumura

株式会社ミッションコーチング代表取締役

株式会社ミッションコーチング代表取締役。心理カウンセラー、プロコーチとして人生のミッションの発見や、やる気や能力を高めるコーチングを提供している。著書に『1秒でも早く! 「ダメージ」から抜け出す方法』(すばる舎リンケージ)がある。