web-201703 吉田都さん2

Interview バレリーナ 吉田 都さん

終わりなき美しさを追い求めて
「形」の奥にあるものが感動を生む

世界最高峰のバレリーナとして、22年間にわたってイギリスのロイヤル・バレエ団でプリンシパル(最高位)を務めた吉田都さん。50代になった今もプロとして舞台で踊り続ける吉田さんの「魅力の正体」に迫ります。

努力に努力を重ねたイギリス時代

私は子供のころからバレエが大好きで、その一心でここまで来ているんです。ひとつのことをこれだけ続けられるのは、とてもありがたいなと思いますね。振り返ってみると、夢見たこと以上のものが叶ったと感じています。
 バレエを学ぶために17歳でイギリスに渡ったとき、最初に実感したのは、「自分は、幼いころの自分が憧れていたようなバレリーナにはなれない」ということでした。西洋人と東洋人の違いを、あからさまに突き付けられて、本当に打ちのめされました。
 普通にやっていただけでは追いつかないので、人の何倍も動く。容姿も骨格も違う、あれだけ美しい人たちの中で自分を見てもらうには、自分が思っている以上の努力が必要でしたし、そうせざるをえなかったですね。
 また、バレエというひとつの芸術を突き詰めようとする人たちの集団ですから、そこはもう、ちょっと尋常ではない世界です。そのなかで大切になってくるのは、自分を冷静に客観視する力でした。
 プロのダンサーですから、バレエは仕事であり、踊りは批評の対象です。稽古ではもちろん、ここができていない、ここがダメと指導されて、表現を磨いていきます。でも、他人から評価される世界にどっぷり浸かってしまうと、自分を見失い、とても苦しくなります。実際にそれで病んでしまう人もいましたから。反省点は今後の成長に生かしながらも、他人の評価そのものからは少し距離を置くことが必要なのだと思います。
 私は、子供のころに教わっていた先生がとても厳しい方で、褒められたことがなかったので、かえってそれがよかったのかもしれません。むしろ、イギリスで褒められるようになって、どうしていいか困ったぐらいなんですよ(笑)。今は、褒められても普通に聞いていられますし、受け止めたりも、流したりも、自由自在にできるようになりましたけれど……。

『踊り続ける理由』

『踊り続ける理由』

50歳をこえてなお踊り続け進化し続ける……世界の頂点を極めたバレリーナ・吉田都が、自身の経験をもとに、強く美しく生きたいと願うすべての女性に贈るメッセージ。

吉田 都 (著)/河出書房新社 ¥1,728

直筆サイン入り本を計3名様にプレゼント。くわしくはプレゼントコーナーをごらんください。

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