子育て110番 子供が大きくはばたく育て方② 「くり返し」には 魔法のような力がある!

向上心と、くり返しの魔法

人には「成長本能」というものがあります。今よりも成長したい、もっとできるようになりたい、もっと賢くなりたい、もっと高いところまで行きたい、という本能です。「向上心」とも言います。
しかし、どんなに向上心があっても、人は何でもすぐにできるようにはなりません。何かができるようになるには、「くり返し」が必要です。
ある2才のお子さんが、お教室でパズルに興味を示しました。ママは「おうちでやったことがないから、できないかも」と言います。たしかに子供はパズルがどんなものか知らない、できるかどうかもわからない。でも「これやってみたい?」と聞くと「うん」と答えます。「じゃあ、まずこの箱から、パズルを出してごらん」と、箱開けからやらせてあげます。何もかも大人に準備されて「さあやりなさい」と提示されるより、自分で箱を開けるという能動的行動から入ることで、やる気が強まります。
パズルは、穴のようにへこんだ所に、他のピースの出っ張ったところを合わせていく作業。絵を頼りに考える子、形を頼りに考える子、勘でともかく動かしてみる子など様々です。その子の得意な力に合わせて「お手本の絵をよくみてごらん」「形をよく見てごらん」「くるくる回してみてごらん」と導くと、次第にできるようになります。
一つ達成すると、次がやりたくなる。止めないと夢中でくり返す。くり返しているうちに向上心が湧き、もっと難しいものがやりたくなる。難しいものに挑戦すると、最初はなかなかできないけれど、またくり返しているうちに完成までの時間がどんどん早くなる。このくり返しの時間を「習熟期」と言います。習熟期を過ぎると、さらに難しいものに挑戦していきます。そのお子さんは、お教室に来るたびにパズルをやり、気がつくと、ママが「あなた、こんな才能があったのね!」と驚くほどになりました。

 

くり返し → 習熟 → 次の成長

これは、お子さんの才能の問題というより、くり返しの魔法の力が大きく働いています。
勉強でもスポーツでも習い事でも、上達のプロセスは同じです。まずやってみる。くり返しやってみる。するとできるようになる。できることがうれしくて、もっとくり返し、もっと上手になる。次に、もっと難しいものに挑戦する。簡単にはマスターできないけれど、くり返しやることによって習熟し、さらに次のレベルを目指す。
人気のウィンタースポーツ、フィギュアスケートでも同じでしょう。最初からきれいなビールマンスピンや4回転ジャンプができるわけではない。2回転のジャンプができるようになり、それをくり返して習熟すると、次に3回転に挑戦。何度も転び、何度も立ち上がり、弛まぬくり返しの中で3回転を習熟していき、やがて4回転に挑むようになる。
人は、階段と踊り場を交互に経験しながら成長していきます。踊り場では、登っていないように見えるけれど、単調に見えるくり返しの中で、次の成長のための土台を築いているのです。
どうかお子さんにも、「くり返しが大事よ」と教えてあげてください。

Illustration by Eri Kawada

 

・・・続きは本誌でお楽しみください・・・

続きは本誌へ
記事DATA

奥田敬子 Keiko Okuda

早稲田大学第一文学部哲学科卒業。現在、幼児教室エンゼルプランVで1~6歳の幼児を指導。毎クラス15分間の親向け「天使をはぐくむ子育て教室」が好評。一男一女の母。