消えたバターの行方 “おひとり様1個”はいつまで続くか 幸福実現党・釈量子党首 連載vol.22

現在、東京都小平市でめん処を営む母の影響もあって、私も料理を人にふるまうことが大好きです。最近はタルトケーキ作りにはまり、「レモンメレンゲタルト」を焼きました。ケーキ作りに欠かせない材料といえば“バター”ですが、スーパーなどで品切れが続き、困った読者の方も多いのではないでしょうか。値段も高く、店頭に並んでいても「おひとり様1個限り」と、まるで配給制です。
数年前から延々と続くバターの不足について、農林水産省は昨年、猛暑の影響と、酪農家の減少で生乳の生産量が減少したためと説明しました。しかし不思議なのは、店頭には同じ原乳からできる牛乳やチーズは不足してないこと。市場原理が働いていないのは明らかです。
そこで“バター不足”の謎を調べると、驚くべき事実がわかりました。なんと、バターよりもチーズに高い補助金が出ており、酪農家が加工用生乳をチーズの生産に回したというのです。それなら「海外から安いものを輸入すれば?」という話になりますが、なんとバターは「国家貿易」のもとに置かれ、高い関税がかかっています。バターの輸入を独占している「農畜産業振興機構」は農水省の天下り団体で、民間が輸入する際はこの団体に「上納金」を支払わねばならない仕組みになっているのです。 結局、「酪農家保護」の名目で、日本中のスーパーの棚からバターを消したのは、「政策」であり、農水省の利権なのでした。
こうなると期待したくなるのが、今般、参加12カ国で大筋合意した環太平洋経済連携協定(TPP)。輸出入の自由化でバターも食卓に戻るだろうと思いきや、今回の交渉で「バター」は除外。新たに設置されたTPP枠で生乳計7万tの輸入が決まりましたが、バターに換算すると最近の追加輸入と同程度にとどまるといいます。これでは「おひとり様1個」はいつまで続くのか分かりません。
TPP自体は、国際間の自由貿易と国内の自由化を一度に進める史上初の試みです。しかし関税撤廃まで長期に及んだり、「輸入枠」といった新たな規制ができるなど、骨抜きも同然になっていることも多いのです。
「市場」になじまない考え方をどれだけ排除できるかに、今後の繁栄はかかってきます。

続きは本誌へ
記事DATA

釈量子 

幸福実現党党首

1969年11月10日、東京都小平市生まれ。國學院大學文学部史学科卒業後、大手家庭紙メーカー勤務を経て、1994年に宗教法人幸福の科学に入局。学生局長、青年局長、常務理事などを歴任。幸福実現党女性局長などを経て、2013年7月幸福実現党党首に就任。

公式サイト