女性の社会進出などで多様化する 女性の出産事情(2015年8月号)

世界で日々起こる様々なニュースの中から、女性にとって身近な話題をピックアップ。“女目線”で社会について考える。


2015年5月19日、ドイツのベルリン在住の外国語教師アンネグレット・ラウニックさんが、世界で最高齢となる65歳で男児3人と女児1人の「4つ子」を帝王切開で出産したというニュースが報道された(AFP通信)。アンネグレットさんはすでに13人の子供がいたが、末娘が兄弟を欲しがったため、卵子提供が禁止されていないウクライナに渡り、費用約2万3千ドル(日本円で約280万円)をかけて体外受精手術を受けたという。4つ子は26週目に未熟児で誕生したが、首都ベルリンの病院は27日、子供の健康状態が危踏まれていると発表した。

ラウニックさんの出産前、専門医は異例の高齢出産の危険性を指摘していたが、それを押し切って出産。インターネット上では、「自分勝手すぎる」「子供の将来を考えていない」といった批判的な意見が相次ぎ、物議を醸していた。

ラウニックさんのほかにも、一家の跡継ぎがほしいと財産を投資して体外受精を行い、世界最高齢の70歳で双子を出産したインド人の女性もいる。
女優のニコール・キッドマンやサラ・ジェシカ・パーカー、日本ではタレントの向井亜紀さんが代理母出産により、高齢出産で子供をもうけた例も有名だ。

女性の社会進出が進んだ現在の日本では、初婚年齢が上昇。仕事のストレスなどが原因で不妊に悩む女性も増えており、「人工受精」や「体外受精」によって子供を授かる夫婦も増えている。さらにはアメリカの大手IT企業のFacebookやAppleが、優秀な女性社員の囲い込みのため、卵子の保存支援を開始すると発表し、話題になっている。

医療や科学技術の進歩によって、“授かりもの”とされていた妊娠・出産も、今や人間たちの手にゆだねられ、計画的に作るものへと変化が起こり始めているのだ。

しかし、妊娠のために資産を投資する女性がいる一方で、理由はさまざまだが、望まない妊娠で中絶を選択する女性もいる。厚生労働省が発表した平成25年度の日本の人工妊娠中絶件数は196,639件。1日に約539人が生まれる前に命を絶たれている計算だ。さらに日本は、欧米などに比べて「里親制度」が普及していないという現状もある。

25年にわたって教育の現場に携わり、女性の子育てや教育の現状に詳しい、学校教員の堀田利恵さんに話を伺った。

「日本では血の繋がりを大事にする傾向が強く、さらに里親制度についてもマスコミなどで報道される機会が少ないため、里親がなかなか普及していないと思います。さらに経済状況の悪化で、『出産や子育てのために会社を休むと職を失ってしまう』といった理由から中絶を選択する女性もいるのではないでしょうか。共働きで毎日慌ただしくてストレスが多いといった社会の風潮も、なかなか子供が増えない大きな要因だといえるでしょう。

卵子凍結保存は、日本ではまだまだレアなケースです。実際、子供をたくさん産んで少子高齢化の日本に貢献してくれているのは、“計画しないで”出産した女性たちが多いでしょう。ですが、彼女たちは学歴や仕事でのキャリアを積まなかった場合も多く、学歴主義で子育ての価値があまり尊ばれない日本では、肩身の狭い思いをしているようにも見られます。さらに最近では、貧しいなかでも家族で支え合いながら、子供を産んで育てている移民一家も増えています。

子供を産み育てるという行為は、“無償の愛”です。『自分の血をひいた子供を産みたい』という気持ちもわかりますが、自分の卵子にこだわるという行き過ぎた考えは、“自分がいちばん大事”といった、少々高慢な考えにつながってしまうのではないでしょうか」

女性たちの社会進出がどんどん進み、生き方も多様化している現代。科学技術の進歩とともに、女性たちの出産事情はますます多様化していくだろう。

しかし、子供を宿すことを「授かる」というように、妊娠は“神秘的なこと”であるという原点は忘れてはいけない。

 

【コラム】

妊娠は神秘的なもの子供たちは親を選んで生まれてくる

「胎内記憶」の第一人者、池川クリニック院長・池川明先生によれば、お母さんのお腹の中にいたときの出来事を覚えている子供が数多くいるそうです。「お母さんのおなかにいたとき、おへその穴を通して外を見ていたよ」「ぼくは『お母さん大好き』っていうために生まれてきた」など、その記憶はさまざま。幸福の科学・大川隆法総裁の著書『霊界散歩』によれば、子供は天上界で親子の約束をし、母胎に宿るといいます。しかし、思わぬ堕胎によってこの世に生まれることができず、混乱している魂も多いそう。

『霊界散歩』

『霊界散歩』

大川隆法 著 / 幸福の科学出版