日本から“異なる価値観の融和”を 世界に発信し、争いに終止符を 幸福実現党・釈量子党首 連載vol.15

過激派組織「イスラム国」が世界を震撼させています。2人の日本人の人質も惨殺され、卑劣かつ残忍な行為は断じて容認できるものではありません。現実を直視し、我が国の安全保障のあり方を考えなくてはなりません。

同時に、憎しみの連鎖がこれからずっと続くのかという懸念が未来を重くしています。ヨルダン人パイロットの男性が生きたまま火で焼かれ、アメリカ主導の有志国連合の空爆で欧米人の死者も出ました。憎しみのあまり、市民を巻き込んだ大量虐殺も肯定されかねません。70年前の日本も、黄色人種に対する偏見や神道への無理解から、東京をはじめ全国各地が町ごと焼かれ、広島と長崎に原子爆弾が投下されました。イスラムの信仰を冒涜する挑発行為や、民族差別を煽る欧米の一方的な価値観の押しつけに対して、日本は歯止めとならねばなりません。

ところで、最近ショックを覚えた一枚の絵があります。19世紀発刊の『十字軍の歴史』に挿入されたギュスターヴ・ドレの挿絵(左)で、11世紀にキリスト教とイスラム教が激突した十字軍以前の情景を描いた1コマです。「聖地巡礼途上で難事に遭遇したキリスト教徒に、助けの手を差しのべるイスラム教徒」の絵は、困難に陥った異教徒に優しく手を差し伸べる様子が描かれています。メッカ巡礼を義務とするイスラム教徒にとって、キリスト教徒のエルサレム巡礼は理解できるものであり、かつては、いたわり合う相互の心の交流があったのです。

また今日でも融和の努力は続けられています。「イスラム国」が勢力を広げるイラクで、この1月、スンニ派、シーア派、キリスト教、クルド人など異なる宗教宗派で構成された国立交響楽団が、「音楽による連帯」を掲げ、千人を超える聴衆の前でマーラーの「巨人」を演奏して喝采を浴びました。「前向きなエネルギーは暴力に必ず勝てる」とリーダーは語ったといいます。

「和をもって尊しとなす」精神を持つ日本こそ、未来の融和を発信できる国です。日本神道を持ちつつ仏教や儒教が最高度に発展した日本。人種差別もなく、クリスマス、初詣、お盆と重層的な信仰も根付いています。日本から、新時代の希望を発信したいものです。

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釈量子 

幸福実現党党首

1969年11月10日、東京都小平市生まれ。國學院大學文学部史学科卒業後、大手家庭紙メーカー勤務を経て、1994年に宗教法人幸福の科学に入局。学生局長、青年局長、常務理事などを歴任。幸福実現党女性局長などを経て、2013年7月幸福実現党党首に就任。

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