冬の星空神話 プレアデスの乙女に魅せられた狩人オリオン

ギリシャ神話から、冬の星座の主役オリオン座と、美しく輝くプレアデス星団にまつわるお話です。

プレアデスの星々は、巨人族のアトラスと水の妖精プレイオネとの間に生まれた美しい7人姉妹。月の女神アルテミスに仕える身で、月夜になると、決まって森の広場で、月光を浴びながら美しく舞い踊るのでした。

ある美しい月夜、いつものように乙女たちが楽しく踊っていると、愛犬を連れた狩人のオリオンがやってきました。美しい女性に目がないオリオン。乙女たちの美しさに心を奪われ、乙女たちに近づいていきます。それに気づいた乙女たちは驚いて逃げ出しました。追いかけるオリオン。逃げる乙女――。

追いつめられた乙女たちは、ついに女神アルテミスに助けを求めます。するとアルテミスは、乙女たちを美しい白鳩に変え、夜空へと逃がしたのです。空高く飛んでいった乙女たちは、そのまま星になったのでした。
ところが、オリオンも負けてはいません。自らも星座となり、今でも、プレアデスの乙女たちを追いかけるように、夜空を巡っているのだとか。

Column
姿を隠したプレアデスの7つ目の星
7つ星と言われるプレアデス星団ですが、肉眼ではっきりと見えるのは6つです。7つ目の星は、姉妹のひとりエレクトラ。息子がトロイ戦争で滅ぼされたことを悲しみ、彗星となって姿を隠してしまったのだとか。また、残された6人の姉妹もエレクトラのことを思うと涙が止まりません。プレアデス星団が青く、霞がかかったように見えるのは、そのせいであるとも言われています。

*オリオンやプレアデスの乙女にまつわる神話は諸説あり、ここで紹介しているのは、そのひとつです。
*参考書籍:「知られざる古代史 神話の痕跡」(豊田有恒 著/青春出版社/品切れ中)

illustration by Shinichiro Hattori

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