良妻の条件⑤縁の下の力持ちが女性の徳になる(2011年3月号)

本多静六の結婚相手

前回は、男女平等の教育の結果、夫や子供と競争する「競争妻」が増えているものの、やはり夫を立て、家族に尽くす伝統的な日本女性の姿は神々しく映る、ということを述べました。

引き続き、戦前の女性で例を挙げると、本多静六(一八六六~一九五二)の奥さんがいます。彼女は、ちょっとした豪傑だったようです。

本多静六は林学博士であり、東京大学の教授になった人です。生涯で三百数十冊もの本を書き、海外渡航を戦前に十九回もしています。また、東大の教授でありながら、投資などがうまくいき、高額所得者にもなっています。

彼は大学生のとき、本多家から乞われて、ものすごい才媛と結婚しています。「大学卒業後、ドイツに留学させてもらう」という条件で結婚し、お金持ちのところに婿養子に入るのです。

本多家の当主は、戊辰戦争のとき、上野の山に立てこもって、江戸に攻めてきた官軍と戦った彰義隊の隊長でした。

そして、その人の娘は、頭が非常によく、日本でほぼ最初に女医になった人でした。当時としては、トップクラスの女性だったのです。そのため、本多家の当主は、「うちの娘と釣り合う男は日本中を探してもいそうにない」と考え、知り合いの教授に、「大学の首席を婿に取りたい」と言って、紹介を頼んだのです。

この縁談話を持ち込まれたのが、静六でした。静六は田舎出身であり、農家の息子でしたが、大学卒業時には「銀時計組」(褒章として銀時計が授与された成績優秀者のこと)になるほどの、ものすごい勉強家だったからです。

静六のほうは、何とかして結婚を断ろうと思っていました。そこで、先方の家族と会ったときに、できるだけ行儀を悪くしたそうです。例えば、出てきた料理をガツガツと食べたり、「自分の分だけでは足りない」と言って、相手の娘さんや母親の分までペロッと平らげたりしました。

静六は、「これだけ行儀が悪ければ、結婚は断られるだろう」と思ったのですが、逆に、本多家の当主は、「さすが、豪傑だ。そのくらいの度胸と自信がなければ、とてもではないが、うちの娘の婿には向かない」と言って、静六のことをますます気に入ってしまうのです。

そのうち、逃げるに逃げられなくなり、どうしようもなくなって、ついに本多家に婿養子として入るわけです。

 

本多静六の妻の豪傑エピソード

結婚して大学を卒業後、彼はドイツに留学をします。そして、ドイツ人の女性から好かれるようなことがあったらしいのですが、結婚している身分なので、博士号を取って二年で日本に帰ってきます。

しかし、奥さんは、そのことを風の便りに知っていました。何かのときに、奥さんは、「このお金でドイツに行ってください。留学したときは貧乏暮らしをなさったでしょうから、今回は大名旅行をしてください。ドイツには、あなたを慕っている女性がいるそうではありませんか」と言って、お金を堂々と出してきたというのです。

本多静六も、これには震え上がったことでしょう。さすが、彰義隊隊長の娘だけあって肝が据わっています。豪傑の家系と言えばそうなのでしょうが、「それにしても、戦前は立派な女性がたくさんいたのだな」と思います。

結局、何が言いたいかというと、「アメリカ化したような女性は権利主張が強いのですが、結婚を単なる契約とだけ見て、『契約を破ってはいけない』と言うのは、考え方が小さいですよ。もう少し肝の太い生き方というのが、女性にはあるかもしれませんよ」ということです。

大川隆法 Ryuho Okawa

幸福の科学グループ創始者兼総裁

幸福の科学グループ創始者 兼 総裁。1956(昭和31)年7月7日、徳島県に生まれる。東京大学法学部卒業後、大手総合商社に入社し、ニューヨーク本社に勤務するかたわら、ニューヨーク市立大学大学院で国際金融論を学ぶ。81年、大悟し、人類救済の大いなる使命を持つ「エル・カンターレ」であることを自覚する。86年、「幸福の科学」を設立。信者は世界100カ国以上に広がっており、全国・全世界に精舎・支部精舎等を700カ所以上、布教所を約1万カ所展開している。説法回数は2800回を超え(うち英語説法120回以上)、また著作は30言語に翻訳され、発刊点数は全世界で2400書を超える。『太陽の法』(幸福の科学出版刊)をはじめとする著作の多くはベストセラー、ミリオンセラーとなっている。また、映画「心に寄り添う。」(ドキュメンタリー・2018年5月公開)、「さらば青春、されど青春。」(実写・同年5月公開)、「宇宙の法-黎明編-」(アニメ・同年10月公開)、「僕の彼女は魔法使い」(実写・2019年公開)など、15作の劇場用映画を製作総指揮・企画している。ハッピー・サイエンス・ユニバーシティと学校法人 幸福の科学学園(中学校・高等学校)の創立者、幸福実現党創立者兼総裁、HS政経塾創立者兼名誉塾長、幸福の科学出版(株)創立者、ニュースター・プロダクション(株)会長、ARI Production(株)会長でもある。

大川隆法公式サイト

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