心の成熟について 前編 (2009年8月号)

自分の気持ちを考えすぎてはいけない

宗教の目的は、「人間としての成長」にあります。人間として成長すれば、人生の諸問題は小さく見えて、乗り越えていけます。しかし、「自分」という枠を超えられないと、小さな問題さえ解決できません。自分の枠とは、警戒心が強く、自分を護ろうとする自己保存の考え方から来ています。自分のことを考えすぎる心の態度が、問題を大きく見せて、身動きできなくするのです。

心の成熟のための心構えとして、一点目は、「自分の気持ちを考えすぎない」ということです。自分中心に物事を考えているうちは、なかなか幸福になれません。自分自身のことを考える時間を短くして、他の人の気持ちを考える時間を増やすことが大事なのです。

 

人間はワンパターンの考え方をしやすい

二番目の心構えは、「価値観の多様性を認める努力をする」ということです。

人はみな、自分にとって都合のよい価値観のみを信奉したがる傾向があるため、価値観の多様性を認めるためには努力が必要です。これは一番目の心構えともつながりますが、人間は、必ずと言ってよいほど、ワンパターンのものの考え方をします。

人間にはいろいろな種類の人がいますし、いろいろな考え方や生き方があります。蝶であっても、いろいろな種類があります。にもかかわらず、ワンパターンの考え方をし、「これがいけない。あれがいけない」ということばかりを言う人がいます。

例えば、時間に厳しくて、とにかく時間が気になってしかたがない母親であれば、「子供が時間どおりに動かない」ということが絶対に許せません。それ以外の部分に、いくら良いところがあっても、時間どおりに動かない子供は許しがたく、延々とそのことを責め続けます。

そういう母親は、自分自身が時間どおりにピシッピシッと行動しないと気が済まないタイプであるため、子供もそのように動かないと、絶対に許せないのです。

子供が勉強で良い点を取ろうが、部屋の整理がきれいにできていようが、学校でほめられようが、友達が多かろうが、先生に何を言われようが、関係ありません。自分が時間を気にする人間なので、子供が時間を守らないことを絶対に許せないわけです。

そういう人は、ご主人に対しても、同じようなことを当てはめようとします。

そのように、一つのものの見方ですべてを見ようとする傾向が、人間には出やすいのです。しかし、自分では意外にそれに気がついていないことが多く、それが自分の生き方だと思っているため、その生き方でほかの人を裁こうとします。

しかし、人を裁くのを少し待って、「人間には違いがあり、世の中には、いろいろな人がいる」ということを考えてみてほしいのです。

今の子供の例で言えば、「確かに、時間に関してはいいかげんなところがあるかもしれないが、この子には非常に人付き合いの良いところがある。この人付き合いの良さが、少し時間を破ったりすることにつながっているのだな」という見方もあるでしょう。

そのように、「多様なものの見方ができるようになり、いろいろな人間の長所を受け入れることができるようになる」ということは、実は、人間としての成長なのです。

 

大川隆法 Ryuho Okawa

幸福の科学グループ創始者兼総裁

1956(昭和31)年7月7日、徳島県に生まれる。東京大学法学部卒業後、大手総合商社に入社し、ニューヨーク本社に勤務するかたわら、ニューヨーク市立大学大学院で国際金融論を学ぶ。81年、大悟し、人類救済の大いなる使命を持つ「エル・カンターレ」であることを自覚する。86 年、「幸福の科学」を設立。信者は世界100カ国以上に広がっており、全国・全世界に精舎・支部精舎等を700カ所以上、布教所を約1万カ所展開している。説法回数は2700回を超え(うち英語説法100回以上)、また著作は29言語に翻訳され、発刊点数は全世界で2300書を超える。『太陽の法』(幸福の科学出版刊)をはじめとする著作の多くはベストセラー、ミリオンセラーとなっている。また、映画「さらば青春、されど青春。」(2018年初夏公開)、「宇宙の法-黎明編-」(同年秋公開)など、13作の劇場用映画を製作総指揮している。ハッピー・サイエンス・ユニバーシティと学校法人 幸福の科学学園(中学校・高等学校)の創立者、幸福実現党創立者兼総裁、HS政経塾創立者兼名誉塾長、幸福の科学出版(株)創立者、ニュースター・プロダクション(株)会長、ARI Production(株)会長でもある。

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